先日、国土交通省より「新耐震木造住宅検証法」が公表されました。
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000662.html
平成28年4月に発生した熊本地震においては、旧耐震基準による建築物(昭和56年5月以前に建てられた住宅)に加え、新耐震基準後に建築された住宅でも一部に倒壊等の被害がみられました。
注)在来軸組構法の木造住宅のうち、接合部等の規定が明確化された平成12年以前に建築されたものについて倒壊等の被害がみられました。
この事実に対し、簡易的な耐震診断の手法が考案されたものです。
対象は、昭和56年6月~平成12年5月に建築された在来軸組構法(基礎がコンクリート造のもの)です。
専門家でなくとも簡易的な住宅の耐震診断が可能となりますので、該当する住宅にお住いの方はぜひ一度ご覧ください。
http://www.mlit.go.jp/common/001184897.pdf
(提供:神戸市)
~将来、震災が発生した時、どこにいるでしょうか?~
1995年の阪神淡路大震災の時、私と私の家族は自宅にいました。
早朝の地震でしたので、同様に自宅で被災された方が多かったと思います。
東京都がシミュレーションする首都直下型地震等による被害想定では、早朝(5時)、昼間(12時)、夕方(18時)と、人々の生活リズムを想定して、それぞれの時間帯で検討しています。
震災は、いつ発生するかわかりません。ゆえにどこで被災するかもわかりません。
自宅、勤務先、施設、スーパー、レストラン、電車の中、歩いている時。
その中でも自宅で被災する可能性は、1日24時間の暮らしを考えれば、とても高い確率だと思います。
今後高い確率で発生する危険のある首都直下型地震では、建物倒壊による死者・負傷者が一番大きいと想定されています。
特に早朝に起こった場合の数は顕著です。
想定される死者数の91.9%が建物の全壊による死者と推定されています。
現在、東京都における住宅の耐震化率は、83.8%となっております。(平成27年3月末推計値)
平成32年度末までに耐震化率を95%までに高めることが東京都耐震改修促進計画の目標となっております。
ただ、新耐震基準(昭和56年6月~)が定められた後の住宅でも、先にあげたとおり倒壊の危険性がありますので、数値を追うだけにとどまらず、震災に対する具体的な想定を行い、万全の対策を施していくことが必要です。
地震に限らず、防災に対しての備えは様々なものがあります。
一つ一つ検証し、必要な対策は具体的に押し進め、安心・安全に暮らせる社会を実現していきたいと思います。